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軽井沢観光協会ドッグツーリズム推進プロジェクトは

「人と犬が健康で楽しく幸せに暮らせる町・軽井沢」を目指して活動しています。

この連載コラムでは今や家族の一員となっている犬と楽しく幸せに暮らす為の情報を発信していきます。

イヌはなぜヒトと暮らし始めたのか

コラム2021.10月

ほんの一昔前,犬は庭のすみに短い鎖で繫いで飼われるのが一般的でしたが,現在はもうすっかり家族の一員。一員どころか家族の中心というお宅も多いと思います。さて,そもそも,犬はなぜ人とともに暮らすようになったのでしょうか?

イヌはオオカミの一亜種が家畜化されたものというのはほぼ確定していますが,その動物がなぜ人間に近づいたのかは想像するしかありません。最初は集落のごみ捨て場あさりだったのではないかという説が有力なので,それに沿って考えてみます。

犬の先祖は,人間がごみ捨て場に残飯を捨てに来るのを遠くから観察していて,人間が離れるとわらわらと食べにくる。そんな光景が目に浮かびます。そうした中で次第に集落のすぐ近くに住み着くようになると,ほかの動物が近づきにくくなります。もし大型動物が来れば騒ぎ立てるので人間も危険を回避できたはずです。人間を個体識別できるので,集落以外の人間が来た時にも騒いだはずで,人間どうしのトラブルも防げたと思われます。その頃はまだ牧畜も始まっておらず,人間にとって実害はなく役に立つことばかりだったので,追い払ったりはせずに保護されたことでしょう。

次第に集落の中にも入ってくるようになると,いよいよ人間との交流が始まります。
人懐こい個体は食べ物を投げてやれば食べにくる。そして狩猟や採集について行くようになると,お互いに同行するメリットを大いに感じたはずです。そしてさらに人間に近づき,集落の中で繁殖するようになる。
そのようにして人間のそばで世代交代を繰り返して,イヌという家畜が成立したのがおよそ15,000年前と言われています。(この年代には諸説あります)

このように,イヌ(の先祖)は、ヒトに馴れる性質と強い警戒心という相反する性質を併せ持ち,ヒトとは全く違う行動をするからこそ,人類のパートナーになったわけです。
 しかし現在,イヌをヒトと同じに扱うことが愛情で,イヌの習性を抑えてヒトの習性に近付けることがしつけの目標だと考える傾向があるのではないでしょうか? 問題行動としてご相談を受ける内容のほとんどは,そこから生じているように思われます。

現代社会では,犬本来の行動を無条件に発揮させてやることは難しくなっています。だからこそ,できる限り犬の生態に合った生活を工夫してやるとともに,人間社会のルールに沿った行動を求める場合には,必ずそれが犬にもメリットがあるようにしなくてはいけません。2種類の異なる動物の共生である以上,犬にばかり人間ぽくなることを強いるのではなく,人間の方も少しは犬っぽくなってみるべきではと思います。試しに半日だけでも犬の目線で生活してみれば,世界観が変わって新しい発見も多いのではないでしょうか。

軽井沢観光協会

ドッグツーリズム推進プロジェクト

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